国土交通省は、建設生産システム全体の生産性向上を図るためにICTを全面的に活用したICT土工を推進しています。当社は、これまで蓄積してきた三次元計測技術をもとに、i-Constructionに適応すべく、UAVを用いた写真解析技術や各種レーザー解析技術により求めた三次元点群データの利活用について取り組んでいます。ICT活用工事は、工程的に①三次元起工測量、②三次元設計データ作成、③ICT建機による施工、④三次元出来形管理等の施工管理、⑤三次元データの納品、における施工過程でICTを活用する工事とされるなかで、当社では全工程を通じてICT活用工事を支援しています。
■i-Constructionを支える計測器等
UAV | UAVは無人航空機 Unmanned Aerial Vehicle のことで、通称ドローンと呼ばれています。従来の航空機(ヘリ等)にはない簡便さがあり、カメラを搭載することにより被災地等近づけない箇所の撮影や、低高度撮影を可能にし、また、SfMによる三次元点群モデルが生成できます。 |
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TLS | TLSとは、地上型レーザースキャナの略称で、三脚に設置したレーザースキャナにより、計測対象物に触れることなく、地物の三次元座標値を取得します。 特徴として、地上に固定することから計測精度が高く、また計測密度もコントロール可能です。 |
UAVLS | UAVLSは、UAVに搭載したLSにより、上空から地物の三次元座標値を取得します。 特長として、レーザー光が葉と葉の間を通り抜けることがあることから植生下の地表を計測しやすいことがあり、また、グリーンレーザースキャナを搭載することで、水面及び水底が計測できます。 |
点群の品質 | TLSとLS、SfMとによる点群の品質を比較すると、精度ではTLSが有利であり、作業性ではUAV搭載型LSやSfMが有利になります。また、UAV搭載型においても樹木があればLSが有利であり、樹木が無ければSfMが有利になります。 |
■サービスについて
空間情報サービスは、三次元計測に必要な計測器等の設備の充実と併せてICTコンサルタントとしての計測技術を蓄積し、関東地方整備局におけるICTアドバイザー制度を通じて施工者や発注者からの疑問点や課題などについて支援を行っています。
三次元起工測量は、施工区域の三次元点群モデルの取得にあります。計測技術としては、地上型レーザースキャナ(TLS)による方法、或いはUAV写真測量による方法、UAVレーザー測量による方法を必要に応じて組み合わせて用い、地表面の三次元点群モデルを取得する工程になります。
三次元設計データの作成は、平面図、縦・横断計画図等の設計データから、三次元設計モデルを作成する作業で、前工程で取得した三次元地表面サーフェースモデルと合成し、設計の妥当性を確認します。
また、三次元設計モデルは次工程のICT建機が利用するLandXMLデータに変換する工程になります。
ICT建機による施工は、前工程で作成したLandXMLデータを用いて、三次元MC又は三次元MG建設機械により施工を実施します。但し、砂防工事など施工現場の環境条件により、ICT建機による施工が困難となる場合は、従来型建設機械によりICT活用工事として実施します。
三次元出来形管理等の施工管理は、施工形状を三次元計測技術により計測し、計画との整合性を確認する工程になります。
施工形状の三次元計測は、検査時の計測精度を踏まえた三次元計測機を用いるものとし、地上に固定した三次元計測機が重要となります。
三次元データの納品は、三次元起工測量、三次元設計データの作成、ICT建機による施工、三次元出来形管理棟の施工管理における成果及び関係する写真等を電子納品成果として作成します。